この封筒のイラストはイメージです。実際に届いた封筒ではありません。

骨髄のレシピエント(受取者)さんからお手紙が届きました。

2022年のある時に、私(松浦)は白血病の患者さんに骨髄バンクを通じて骨髄を提供しました。

骨髄バンクを通じて骨髄を提供した場合、ドナー(提供者)とレシピエント(受取者)はお互いがどこの誰だかがわからないように、その情報は明かされません。それはトラブルを避けるために必要な措置です。

しかし、「骨髄移植をしてから2年以内に、お互いに2通まで手紙を書いてもよい」というルールがあります。書いた手紙は骨髄バンクの事務局に送り、担当の方から手紙の内容をチェックしていただいて個人が特定されないことを確認した後に相手に郵送されます。つまり、ドナーもレシピエントも相手の名前も住所もわかりません。強制ではないので、手紙を書かなくてもいいですし、レシピエントさんから手紙が届かないこともあるそうです。

1回目の手紙は退院2日後に届きました

私が骨髄を摘出して退院した2日後、レシピエント(受取者)さんと奥さんから1回目の手紙が届きました。つまり、この手紙は移植することが決まった後、しかし手術をする前に書かれた手紙だということです。

個人を特性する情報は書かれていませんが、性別、年代、居住地区(関東地区や東海地区など)は書いてよいことになっています。骨髄移植が必要と分かった時の不安や、提供への感謝、移植後には日々を大切に生きていきたいと言った決意が書かれていました。

私からも、すぐに返事の手紙を書いて、骨髄バンク事務局に送りました。

しかし、私が提供した骨髄の移殖は成功したのかどうなのか、わからない状態でした。

2回目の手紙は2年後に届きました

自分が骨髄を提供した時期になると、「ああ、あれから1年が経ったのか。レシピエント(受取者)さんはどうなっただろう?元気かな?」と気になっていました。

そして、今年2024年も「あれからそろそろ2年か。レシピエントさんはどうなっただろう?2回目の手紙は来るのかな?来たらいいな」と思っていました。

そんなある日、郵便受けに骨髄バンクからの封筒が届いていました。中を開けてみると、レシピエント(受取者)さんと奥さんからの2回目の手紙でした。うれしくなりました。すぐに手紙を開封し、まずはレシピエントさんの手紙から読み始めました。

骨髄移植は成功していた

レシピエントさんからの手紙には、骨髄移植が成功して驚くほど回復したこと、仕事を再開するために資格取得に励んでいること、命をつないでくれたことに感謝しているということなどが書かれていました。骨髄移植が成功していて、そして元気に過ごしているようでとてもうれしくなりました。

奥さんからの手紙は支える側からの視点で

奥さんからの手紙は、レシピエントさんを支える側からの視点で書かれていました。レシピエントさんからの手紙ではとても元気に回復している印象を受けていましたが、奥さんからの手紙では、まだまだ体力的に十分に戻っているとは言い難いこと、でも命がつながり生き生きと生活していること、毎日に幸せを感じて感謝しながら生活をしていることなどが綴られていました。

役に立ててよかった

まずは骨髄移植が成功して、今、元気に暮らしていることが分かって本当に嬉しかったです。苦しい治療を承知の上で「生きたい」と願って骨髄移植を決意し、壮絶な苦しさを乗り越えて今を生きていらっしゃることに感動しました。手紙の中には私を救世主のように書いてくださっていましたが、骨髄摘出のための私の痛みや吐き気などは本当に取るに足りないもので、どなたかのお役に立つことができた喜びをいただけたことの方が、本当にありがたく感謝することでした。

お返事の手紙を書いて骨髄バンク事務局に送りました

ちょっと仕事が立て込んでいた時期だったので、お返事を書くまでに1週間ほどかかりましたが、頭の中で何度も推敲して手紙を書き上げ、骨髄バンク事務局に郵送しました。

10日ほど経って、骨髄バンク事務局から「レシピエントさんに郵送した」という手紙が届きました。

ご多幸を祈っています

2年間でお互いに2回ずつ手紙を書いたことになります。ですから、私が2回目に書いた手紙をレシピエントさんと奥さんがどのように読んだのか、それを知ることはできません。ちょっと気にはなりますが、それでも、きっと毎日の生活を丁寧に暮らしていらっしゃるのではないかと想像しています。

どうか、これからもレシピエントさんと奥さんのご多幸を祈っています。私にとっても素敵な経験をさせていただき、ありがとうございました。

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