ICT機器の活用
放課後ひだまり教室には、現在Windowsパソコン3台、Windowsタブレット2台、iPad1台、androidタブレット2台の計8台のタブレット&パソコンがあります。
あえて違う種類を
あえて、種類が違うものを取り揃えています。理由は、子どもたちに使い比べて欲しいからです。それぞれのOSや機種によって、使いやすさや得意なことが違うはずだからです。使っていくなかで、それぞれの利点や活用方法を子どもたち自身で見つけていって欲しいと思っています。
これもなかなか学校教育ではできないことではないでしょうか?一斉指導が多い学校教育では、子どもたちに同じタブレットを持たせる方が指導がしやすいからです。
主体的な学び方を
さて、放課後ひだまり教室で、たくさんのタブレット&パソコンを取り揃えようとしているには訳があります。それは、主体的な学び方を身に付けて欲しいからです。子どもたちは、分からない漢字があるとタブレットパソコンを手に取ります。読めない漢字も、手書き認識アプリが入れてあるので、それを使って調べています。理科や社会でも、わからない問題や調べたいことがあると、タブレットパソコンを手に取ります。算数は使い勝手のよいサイトがまだないので、わからない時は子どもたち同士で教え合っています。
つまり、子どもたちは「誰かから教えてもらう」のではなく、「自分で調べることによって学ぶ」という方法を身に付けていっているのです。
自由研究でのICT活用
放課後ひだまり教室で行っている自由研究でも、ICTを活用しています。「イラストがうまくなりたい」という子は、YouTubeでイラストの描き方の動画を見ながら練習しています。「折り紙を折りたい」という子もYouTubeで調べています。茶処静岡ならではの課題ですが、「お茶をおいしく淹れたい」という子はインターネットで検索して、実際にその方法で淹れてみました。
今は多くの子が「プログラミング」に興味を持っています。放課後ひだまり教室では「スクラッチ」を使ってプログラミングをしています。スクラッチのプログラムが載っている書籍を数冊購入してあって、子どもたちはそのプログラムを真似て作っています。そして、プログラミングに詳しい子が初心者の子に教えてあげています。
学校休業中の「オンライン学習」は救世主か?
COVID-19の流行による学校の休業中に、「日本はオンライン学習が5%だなんて、なんて遅れているんだ」という報道がありました。私も「学習動画を配信して、新しい単元の解説でもしようか…」とも考えましたが、やりませんでした。なぜなら、それでは子どもの学習が客体的なものにしかならないからです。今更、一昔も二昔も前の「教師が分かりやすく解説する授業」をやっても意味がありません。新しい学習指導要領の導入に向かって、既に学校の授業はチェンジしています。子どもたちが対話によって主体的に学び取っていく授業に。子どもたちが対話的に学習できる環境が整わない以上、「オンライン学習」は休業中の救世主にはならないのです。
おそらく、この休業中は、紙に向かって一生懸命に学習に取り組んだ子か、自分の興味があることにとことん打ち込んだ子に、多くの実りが与えられたことと思います。ただし、ゲームに打ち込んでそれが人生の実りとなった人は、極一握りしかいません。ゲームはやはり制御すべきものだと思います。
ICT活用学習の課題
インターネットは子どもが読んでもわからない
インターネットは知の宝庫です。しかし、まだ、子どもにとって使いやすいものにはなっていません。漢字にはルビがふれるようになってきましたが、子どもが読んでもわからない言葉で書かれているものがほとんどです。これを何とか、子どもたちが読んでもわかるものにしていきたいと思っています。
私は、子どもたちの自由研究を、子どもが読んでわかるようにまとめていきたいものだと思っています。まだまだ始めたばかりですが、子どもたち自身で情報発信していきたいと思っています。
教科書会社に期待
以前、教科書の編集担当者とお話する機会がありましたが、これからの教科書は「検索できる教科書」であって欲しいと思っています。子どもたちが「知りたい!」と思って検索したときに、子どもたちがわかるように書いてあるサイトが作れるのは教科書会社ではないでしょうか?
例えば、私個人が、「子どもが読んでわかるページを作ろう!」と思っても、著作権の壁に阻まれることが予想されます。私が自分で画像を撮って集めることなど不可能です。教科書会社は画像や図をすでに持っているのです。教科書会社が本気になって、子どもたちの「知りたい!」に応えるサイトを作って欲しいと思います。
ICT機器は、子どもが学ぶためのツール(道具)
大人は、調べたいことがあると、すぐにスマホを出して調べられる便利な世の中になりました。子どもにも、同じことをさせてあげればよいのです。子どもが「知りたい!」と思ったこと、「調べたい!」と思ったことを、子どももすぐに調べられるように。
子どもも情報発信を
大人でSNSをやっている人はまだ少ないかもしれませんが、子どもにSNSをやらせたらよいと思っています。自分たちの自由研究や活動を、自分たちで発信するのです。もちろん、社会に対して発信する前に大人のチェックは必要だと思いますが、これからの教育に求められるのはアウトプット(発信)です。学校でも積極的にやって欲しいと思っていますが、それにはまだまだ時間がかかるかもしれません。放課後ひだまり教室では、子どものSNS発信にも取り組んでいきたいと思っています。
これからの時代、ネットとの付き合い方は切っても切れない関係になるとおもうので
教える必要があると常々思っております。あほな発言をして自らの人生をぶち壊さないために、、