ひだまり教室は、宿題と補充学習と自由研究をする塾です。
春休み中は時間に余裕があるので、自由研究に取り組む時間がたくさんあります。
1年生のYさんは自由研究で「お菓子を作ってみたい」ということで、YouTubeの動画を見ながら必要な材料を紙に書き出しました。
そして、後日、お家の人と材料をそろえて持参してくれました。
この日は、勉強が終わって10時から、クッキー作りに取り掛かりました。2年生のAiちゃんは助手です。
今日もタブレットで動画を見ながらです。まずは板チョコを刻みます。
Y「なかなかかたい」
刻んたチョコをボールに入れ、もう一つのボールにお湯を入れて湯煎でチョコを溶かします。
Y「もう溶けてきた」
次はバターをかくはんします。しかし、これが大変。泡立て器にくっ付くばかり。本当はしっかり常温に戻しておかないとうまくできないのですが、そこまでは気づきませんし、私(松浦)も言いません。この苦労を味わって、どうすれば動画みたいに簡単にできるのかを考えることが学びにつながると思うからです。
それでも、先程の湯煎のお湯で温めて、なんとかバターを溶かしたところに卵黄を入れます。
次は薄力粉をふるいます。
Y「え〜、なんで丸いの残っちゃうの?まぁいいや、入れちゃえ。」
…いや、その丸い小麦粉の固まりを残さないためにふるったんだけど…。まぁ、いいです💦
ふるった?薄力粉を混ぜ合わせ、
材料をラップに包んで冷蔵庫で1時間冷やします。
外で遊びながら待つこと1時間…。
冷蔵庫からクッキー生地を取り出したところ、
Y「割れてる!」
包丁で切ろうとしますが、ホロホロと崩れてしまいます。
Y「これは、手で丸めるしかない」
激闘の跡をご覧ください。クッキー生地が切れました。これを170℃に予熱したオーブンで15分間焼きます。
焼き上がるまではタブレットゲームをして待ちます。
さぁ、焼き上がりました!
Y「いいにおい!」
おいしそうに焼き上がりました!
しかし、トングでつかもうとすると、また割れてしまいます。それでも、お皿に移して完成です!
ホロホロもちゃんとお皿に取り分けました。
いよいよ実食です。
Y「おいしい!」
ホロホロでしたが、その分サクサクのクッキーができました!大成功です。
これこそが主体的な学び
今回のチョコチップクッキー作りにも、たくさんの学びがありました!
・自分のやりたいことを実現するための調べ学習
・板チョコを刻むときの硬さの感触
・湯煎での板チョコの溶け具合
・「割れる」という想定外の事態への対処
・クッキーが焼き上がったときの「いいにおい」
・自分で作ったクッキーのおいしさ
・次は何を作ろうかという新たな課題設定
こういったことは、動画を見ているだけでは味わえませんし、ゲームの中でお料理しても経験できません。実際に体験するからこその学びです。
今回、助手を務めてくれたAiちゃんも、自分でやりたい気持ちをぐっと抑えて、補助の役割に徹してくれていました。今までの経験もあるでしょうし、上級生の自覚もあるのでしょう。これも大切な学びでした。
お菓子作りなどは家族とやるのが一番かもしれませんが、家族もなかなか忙しくて時間をとることができません。包丁や熱湯、オーブンなどを使うので、子どもだけではやらせられません。しかたなくゲーム…になってはいないでしょうか?
地域で子どもを育む仕組み
私(松浦)は、このように子どもの学びや体験を地域で育む仕組みを作りたいのです。
忙しい家族に代わって、数人の大人が子どもたちを見守り、学習や体験を見守る。みんなで少しずつお金を出し合って、見守る人の人件費を捻出する。
まだまだ途に着いたばかりで、仕組みは出来ていませんが、この仕組みが、今の教育の閉塞感の突破口だと信じています。