⑤ 音読をすることで豊かな語彙(ごい)を育む

画像はイメージです。

「音読」を宿題の定番としているところもあります。でも、飽きてくると超スピードで終わらせたり、読んでもいないのに読んだことにしてしまったり、ということがあるのではないでしょうか。

しかし、「音読」は大切です。以前に「声に出して読みたい日本語」という本がベストセラーになったように、文字を読み、声に出して、自ら聞くという作業はとても重要です。

国語の教材は、さすがによく選ばれていて、素晴らしいものが多くあります。「大造じいさんとがん」「モチモチの木」「ごんぎつね」などの定番と言われる作品は何度も声に出して暗記するくらい読んでほしいものです。

では、音読がなぜ重要か。それはお手本となるよい日本語の表現がたくさん載っているからです。現在は「やばい」という言葉に代表されるように、感情を簡単な言葉に集約してしまって、「すごい」も「まずい」も「ダメ」も「良い」も全て「やばい」になってしまっています。子どもたちに感想を聞いても「楽しかったです」が定番で、他の言葉で表そうという意欲は生まれてきません。

しかし、「大造じいさんとがん」では、じいさんの「楽しそう」な姿が、次のように描かれています。「じいさんは、むねをわくわくさせながら沼地にいきました。」「しめたぞ!じいさんはつぶやきながらむちゅうでかけつけました。」「『ほほう、これはすばらしい!』じいさんは、おもわず子どものように声をあげてよろこびました。」「翌日、きのうと同じ時刻に、大造じいさんは出かけて行きました。秋の日が美しくかがやいていました。」「大造じいさんはうまくいったので、会心の笑みをもらしました。」「あかつきの光が、小屋の中にすがすがしく流れこんできました。」「大造じいさんは、青くすんだ空を見あげながらにっこりとしました。」「そうして、残雪が、北へ北へと飛びさっていくのを、はればれとした顔つきで見まもっていました。」

どの表現もじいさんの心情を豊かに描いています。

「音読」を丁寧にすることで、豊かな語彙(ごい)を育みたいものです。

※宿題(家庭学習)の大切なことやコツを紹介しています。一投稿はなるべく短くするように心掛けます。

(^.^)松浦 静治

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