主体的な学びが学校教育との両輪に②

ダンボールで作った幻灯機

主体的な学びを「子どもが自ら問いをもち、解決しようとする学び」とすると、学校教育では実現できません。実現できるとすれば「意欲的に学ぶ子」の育成です。

放課後ひだまり教室では「宿題」「補充学習」「自由研究」をしますが、この自由研究こそが主体的な学びです!

子どもたちが自分の興味関心に沿って課題を設定し、それを解決しようと取り組みます。

自由研究の課題決めで、1年生同士でこんな会話がありました。

A「わたし、えいががすき。」

B「あ、わたしも。ふゆ休みにえいがみに行ったよ。」

A「でもさ、えいがって、どうしてあんなに大きくうつるんだろうね。」

Aさんは自由研究の課題を「映画が映る仕組み」としましたが、この日はそこで時間が来て帰りました。

次の時、Aさんが来て真っ先に「わたし、えいがみに行ってきたよ!」と報告してくれました。「それでわかった。プロジェクターだって。」

Aさんはそのことを自由研究用のワークシートにうれしそうに書きました。

さらに次の時に、私は懐中電灯と透明シートを持って行きました。そしてAさんに「ミニ映画館を作ろう」と提案しました。

そして出来上がったのが、冒頭の写真の幻灯機(げんとうき)です。ダンボールで囲まれた薄暗いシアター。正面の白いA4用紙に、透明シートに描いた絵が拡大されて映りました。

Aさんの反応は「ふ~ん。」でした。

これがAさんにとってどれ程良い学びになったかはわかりません。しかも、「主体的な学び」と言いつつ、私から提案しました。ここは正直に言って迷いました。子どもの気付きを待つべきではないかと。

「教えたがるのが教師の悪いところだ。」との批判も聞こえてきそうですが、この自由研究がAさんにとって初回だったので、調べるだけに留まらず、実験するところまで体験してほしかったのです。

この経験を出発点に、主体的に学ぶ自由研究に育てていきたいと思います。

〈つづく〉

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です