先日、ふじのくに未来財団のネンイチ報告会が開催されました。
放課後ひだまり教室は2020年4月〜2021年3月まで、静岡トヨタ自動車様のハイブリッド基金から助成金をいただきましたので、活動を報告させていただきました!
放課後ひだまり教室
障がい者のためのグループホーム陽だまり内にある、誰でも利用できるカフェ「ひだまりカフェ」を拠点とした小学生の学習支援として「放課後ひだまり教室」を実施しています。
グループホーム内の和室で、放課後に子どもたちの学習支援をしました。そうすると、宿題をしている子どもたちと、お仕事から帰ってきた入居者さんたちとの自然な形の交流がおこります。
入居者さんの中に、不安なことがあるとパニックになってスリッパを投げるという人がいました。それを見た子どもたちが怖がっていたので、私は子どもたちを呼び集めて「あの人はパニックになるとスリッパを投げるけれど、よく見ててごらん。投げる方向を考えているから」と話しました。すると、しばらくして子どもたちが「わかった!」と報告に来ました。「今、スリッパを投げようとして、窓ガラスの方だったから、方向を変えてソファーの方に投げた!」と。「そうだよ。あの人はパニックになるとスリッパを投げるけれど、決して君たちの方には投げないから大丈夫だよ」と話すと、子どもたちは安心しました。
そして、小学4年生の女の子でしたが、またパニックになった時に、「どうした?何かあった?大丈夫だよ」と声を掛けていました。
障がいのある人と、子どもたちが一緒に過ごすことで、自然な形の交流が生まれていました。
また、ご近所に住んでいる方が、子どもたちに手縫いのお手玉作りを教えてくれたこともありました。
ひだまりカフェからは、毎日、子どもたちへのおやつの無料提供があります。
現在は、新型コロナの影響で、会場を移して、施設内の北側の個室に変更し、入居者さんや地域の方との接触をなるべく減らしていますが、新型コロナが終息したら、また、これまでのように障がいのある人や地域の人との交流を復活させていきたいと思っています。
放課後ひだまり教室の実績
2020年4月から2021年3月まで、学校がある日の14:00~19:00、コロナ休校中や夏休みや冬休みなどの長期休業中は朝8:00~18:00で、年間232日実施いたしました。
年間の利用者は延べ3,142人で、平均しますと1日14人が利用したことになります。
スタッフは主に私(松浦)が行ってきましたが、11月からは1人が加わってくれました。その人は3月末をもって、別の仕事に就きました。
そして、3月からは、大学を卒業して子どもたちと関わりたいという方がスタッフとして来てくれています。
また、地域の方や、中・高・大学生が見守りボランティアとして協力してくださいました。
自然体験事業
自然体験事業の一つに「キャンプ体験」を実施しました。
年間6回開催し、参加者の合計は37人でした。
子どもたちにたくさんの体験を届けることができました。
また、「地域探検」も行いました。
秋のどうだん原&千葉山ハイキングは残念ながら雨天中止でしたが、諏訪原城探検ウォーキングはかなや観光ボランティアガイドの方から解説をしていただきならが回りました。童子沢川探検には小学校の職員さんが参加してくれました。
農業体験事業
農業体験事業ではエダマメの収穫やタマネギの収穫に家族での参加がありました。
物作り事業
物作り体験では梅干しや梅ジュース作り、パン作り、そば打ち、クリスマス飾り作り、ミニ門松作り、みそ作りなどを実施しました。障がいのある人もない人も一緒に参加することで、これもまた自然な形の交流が生まれていました。
事業の結果
① 小学生が放課後、毎日平均14名くらいがひだまりカフェに来て宿題をするようになった。そこで、グループホーム陽だまりの入居者の方との交流が生まれました。中高生や地域の高齢者がボランティアとして訪問してくれることも何度かありました。
② ひだまりカフェ内で体験イベントをした時には、障がいがある人もない人も一緒の活動することができて、交流が促進されました。施設外でのキャンプ体験や農業体験は新型コロナ等の影響もあって参加人数を絞ったこともあり、交流の機会は多くはなかったが、参加者からの口コミにより今後参加者が増えることが期待され、助け合いながら暮らせる地域社会の形成の基礎を築くことができたと考えています。
継続性と今後の課題
・ 2021年度も同様の事業を継続して行っています。
・ 新型コロナの影響がどこまで続くか見通せず、参加人数を増やすことができないことによって、当初想定した事業収入が得られていない状況があります。
・ 受講料や参加費を低額に抑えており、2021年度は助成金ももらっていないので、スタッフの人件費等が十分に賄えていません。
それでも、それらの課題をなんとか解決しながら、これらの事業を継続していきたいと思っています。