静岡新聞2023年2月17日(金)社会面[31]

静岡新聞2月17日(金)に「学童保育待機 島田倍増か」という記事が掲載されました。島田市の2023年4月からの放課後児童クラブ(学童保育)の待機児童が前年度の61人から140人になる見込みだということです。そこで、市から申請者に「留守番の練習」や「祖父母の協力を仰ぐ」などの準備をして欲しいとの文書が送られました。

そして、放課後児童クラブ(学童保育)の「承諾」「不承諾」の通知が2月13日(月)から郵送され、小学校2年生の保護者に「不承諾」が届き、この報道につながったと思われます。

その後、市の子ども応援課の対応により、2年生の希望者まではどの学区でも受け入れる対策をとったとのことでした。

子どもの放課後を豊かに

社会の変化により、放課後の子どもたちの面倒を見られない家庭が増えています。放課後児童クラブ(学童保育)の希望者も増えていくことでしょう。いったいどうしたらよいのでしょうか。

放課後児童クラブの課題

(1) 設置に費用がかかり、財政負担が増加する。

(2) 宿題をする時間は確保するが、丸付けはしないので学習支援の効果が低い。

(3) 宿題の時間が終わったら遊ぶことになっているが、DVDの視聴に頼るなど、豊かな体験は提供できていない。

(4) 子どもたちが騒いだり喧嘩をしたり暴言を吐いたりすることを、制御できていないところがある。

などの課題があると私(松浦)は感じています。

課題解決のために

私は、これらの課題解決のために、放課後ひだまり教室に取組んできました。もちろん、放課後ひだまり教室にも課題はありますが、子どもたちの放課後を豊かにするためにどうしたらよいのか、行政も市民も子どもたちもみんながHappyハッピーになる方法を模索もさくしています。

(1) 会場は公民館・公会堂や学校で

 放課後の子どもたちを預かる場所をわざわざ建設するのは多額の費用がかかります。私は、会場は「学校」でよいと思っています。学校には体育館、運動場、図書館、音楽室、家庭科室、図工室、理科室など、子どもたちに体験を提供するための部屋がたくさんあります。学校こそが放課後の子どもを預かるのに最適な場所だと思っています。子どもたちの机やロッカーに置いたままになっている荷物が紛失しないように普通教室は施錠せじょうして、それ以外の部屋は開放したらよいと思っています。そして、教員以外の人を施設管理責任者として行政がやとえばよいと思っています。

実はすでに放課後NPOアフタースクールという団体が、全国21か所で小学校を会場に放課後の子どもたちの居場所作りを実施しています。島田市もそれにならって、学校を会場とすればよいと思います。

 ただ、学校教育課と子ども応援課の縦割り行政の弊害へいがいや、学校の先生たちの承認を得るのに時間がかかるかもしれないので、まずは公民館や公会堂からでもよいと思っています。

(2) 子どもたちの宿題を丸付けする

 放課後児童クラブの支援員さんに丸付けのスキルがなかったり、支援員さんの負担が増えて安全管理が行き届くなるかもしれなかったり。あるいは、「保護者が子どもに全く関わらなくなってしまうのではないか?」などという心配から丸付けをしていないと思うのですが、宿題は丸付けした方がよいと思っています。

① 丸付けをすれば、わからないところが補充され、学習効果が高まる。

② 支援員が丸付けするだけでなく、来ている子どもたち同士で丸付けをさせることで、教え合い助け合う関係を作ることができる。

③ 中高大学生などのボランティア参加が期待できる。

(3) 放課後の学校を市民みんなの生涯学習の場へ

 放課後の学校で「英語クラブ」や「プログラミングクラブ」「カメラクラブ」「料理・お菓子作りクラブ」「木工クラブ」「鉄道愛好クラブ」「華道茶道クラブ」など、様々なクラブを作って生涯学習の場にしたらよいと思っています。そして、そのクラブは子どもも大人も年齢関係なく、一緒に学び合うクラブにしたらよいと思うのです。

 それによって、子どもたちの放課後の体験活動が豊かになりますし、大人の生きがい作りにも役立つと思います。また、中学・高校のクラブ活動の地域移行の土台にもなると思います。

(4) 子どもと地域の人のみんなの居場所に

 放課後児童クラブも、老人ホームも、障がい者のための作業所も、それぞれ良かれと思って設置されていますが、私(松浦)はそれが「子ども」・「高齢者」・「障がい者」を分断してしまっていると思っています。私はかねてから「みんなの居場所」を作ればよいと思っています。放課後の学校がみんなの居場所になって、子どもも高齢者も障がい者もみんながいれば、子どもが暴れて支援員さんが手を焼くということもなくなると思うのです。

学校をみんなの居場所に(イメージ図)

放課後の子どもたちをいかに育むのかに取組んだ3年間

「放課後ひだまり教室」は、この放課後の子どもたちをいかに育むのかについて3年間の実績があります!

(1) 障がい者のグループホームで実施

 放課後ひだまり教室は、金谷地区の障がい者のためのグループホーム「陽だまり」の一角を借りて、放課後の子どもたちの預かりと学習支援をしてきました。

 新型コロナ流行前は、入居している障がい者の方との交流もありました。地域の方が子どもたちの宿題の見守りをしてくれたり、お手玉の手縫てぬいや将棋を教えてくださったりしています。

 子どもたち、高齢者、障がい者の分断を打破する取組みを続けてきました。

地域の人がボランティアで子どもを見守る
子どもたち同士が学び合う
地域の人とお手玉の手縫い
地域の方が将棋を教えに
学生ボランティアさんとお菓子作り

(2) 地域型クラブ活動「クラブSOJI(素地)」とリンク

 地域型クラブ活動として誰でも参加できるクラブSOJI(素地)とリンクしています。グループホーム陽だまりの隣の夢づくり会館で行われている「しゃべりたくなる英語クラブ」や「プログラミング&英語クラブ」に行って、英語やプログラミングを学ぶこともできます。このクラブは地域の人が講師を務めています。

しゃべりたくなる英語クラブSOJI
プログラミング&英語

(3) フリースクールも実施

 放課後ひだまり教室の部屋を使って、平日の昼間に「フリースクールひだまり教室」も実施しています。学校に行かない・行きづらい子たちが利用しています。

フリースクールひだまり教室

このように、地域のみんなで子どもを育む取組みを、島田市内各所で実施して欲しいと願っています。

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