子どもたちが共に学び合う場所を~異年齢集団での学び合い~

市が設置する放課後児童クラブでは、受入れ可能人数の関係から低学年が優先され小学校3年生くらいまでの子を預かっているところが多いです。

しかし、ひだまり教室では年齢制限を設けていません。今(2023年8月)現在は、小学1年生から高校1年生までの子が利用しています。そして、子どもたち同士で教え合うということが頻繁におこなわれています。学習では上の学年の子が下の学年の子に教えてあげることが多いですが、それ以外にも日々一緒に過ごす中で、優しさや思いやり、あきらめない粘り強さ、遊びを楽しむアイディアなどは年齢に関係なくよい学び合いがおこなわれています。

宿題をその場で丸付けする

市が設置する放課後児童クラブでは「宿題の時間」はとりますが、丸付けはしません。それは、文部科学省ではなく厚生労働省の管轄であることや、学習塾などの民業圧迫にならないように配慮してのことです。しかし、それでは宿題が子どもたちの学習の定着にはあまり効果がありません。子どもたちは早く遊びたいから、「とにかくやればいい」という意識でやってしまっていると思うのです。

しかし、民営のひだまり教室では、子どもたちがやった宿題の丸付けをします。間違えたところをすぐにその場で直す方が学習の定着に効果的だからです。また、漢字ドリルの書き取りも一文字一文字丸付けをします。せっかく毎日やる書き取りですから、毎日丁寧に書く習慣がつけば子どもたちの文字は上手になります。

また、漢字の書き取りは、学習に向かう心の在り方を反映しています。とにかく終わらせればいいと思って書いている文字と、形に気を付けてちゃんと覚えようと書いた文字では、定着に大きな差ができます。

ICTも活用

ひだまり教室を始めた時から、積極的にICTの活用をしています。ICT活用が「自ら学ぶの人」の育成に効果的だと思うからです。宿題をしていてわからないことがあったとき、何気ない会話からふと疑問に思ったことがあったとき、すぐにタブレットパソコンを手に取るように声かけします。わからないことや知りたいことがあったら、自分で調べることを習慣づけています。

一人一人に合った学びを

~私立中学校受験に挑戦しようと思った子~

私立中学校の受験に挑戦しようという子がいました。もちろん学校では、私立中学校に挑戦する一人のために特別なサポートをすることはできません。

ひだまり教室では、一人一人に合った学びをサポートします。その子はまじめな子で、教えられたことを一生懸命覚えようと努力する子でした。しかし、初めて見る問題では、どうやって解いたらよいか、自分で考えるという習慣がありませんでした。これも、日本の学校教育の弊害です。日本の授業の多くは、先生が解法を教えて、子どもは類題を解いてみるという授業が多いのです。

そこで、私は、この子に「自分で解いてみな」とアドバイスをしました。その子は、初めてやってみる問題を自分で一生懸命考えました。どうやって解いたらよいか見当がつかずに、一つの問題で3日も4日も解けずに考えていました。しかし、あるきっかけで解法が閃いて、その後、一気に問題を解くことができました。この経験から、この子は「自分で考えるっておもしろい。自分で解けた時って気持ちいい」と、自分で考える楽しさに気付いたのです。

~特別支援学級を進められた子~

また、別の子の保護者さんは、担任の先生から「この子は学習の理解がちょっと大変ですから、特別支援学級を検討してはどうでしょう?」と言われたと相談に来られました。

学校の先生は、「この子は学習が十分定着していないな」ということはわかっていますが、学校生活の中でその子のサポートをする時間がもてずに、歯がゆい思いをしています。

保護者さんが私(松浦)に「どう思いますか?」と質問されたので、「では、可能な限りひだまり教室に通ってみてください」とお答えしました。そして、やって来た子の学習を見守りました。確かに学習の定着は十分ではないと分かりました。しかし、その子はちゃんと論理的に思考できていました。記憶の定着には時間がかかる子だけど、論理的な思考はちゃんとできる子だということがわかりました。また、書く文字は雑でした。

そこで、私は、その子がひだまり教室に来るたびに、なるべくたくさん見守るようにしました。そして、文字を丁寧に書くように、毎回毎回声かけをしました。

その後、その子は3年間、普通学級で過ごしています。文字もとても丁寧に書くようになりました。記憶が定着するには時間がかかりますが、時間がかかっても粘り強く取り組んでいます。

学校ではサポートしきれないことが、ひだまり教室ではサポートできます。それがひだまり教室の役割の一つだと思っています。

遊びも学び

私(松浦)は、遊びも学びだと思っています。おもちゃを使ってどう遊ぶか。やったことない遊びを他の子から教えてもらう。やったことのない子に遊び方を教える。どちらも学びです。ひだまりハウスでは、異年齢集団の中で遊びの伝達が行われています。地域の大学生が来て一緒に遊んでくれることもあります。

体験から学ぶ

社会福祉協議会から紹介いただいたボランティア作業の中に「ぞうきん制作」がありました。作業のウエスとして使用するぞうきんを縫うというボランティアです。

さっそく、ひだまり教室で宿題が終わった子に「やってみる?」と誘ってみたところ、興味を示した子がいました。針と糸でぞうきんを縫ってみます。慣れない作業ですから、スピードは速くありませんが、根気強く取組んでいました。

この子は、この後、縫い物に興味をもって、端切れの布を使ってオリジナルの小物を作っていました。

余暇の時間にどんな体験的な活動ができるか、ひだまりハウスではいろいろと挑戦しています。

地域の人と学ぶ

ひだまりハウスには、地域の人が来てくださいます。学習を見守っていただいたり、折り紙を一緒に折っていただいたり。

女性消防団員さんが、子どもたちに読み聞かせをしてくれたこともありました。

地域型クラブ活動

英語や習字の習い事は、保護者が仕事などで送迎をすることができないと習うことができません。その結果、家にいてゲームをしたりYouTubeを見たりして過ごす時間が多くなってしまっています。

その解消ができないかと考え、ひだまり教室では「プログラミング&英語クラブ」と「英会話クラブ」、そして「手作りクラブ」を開設しています。

宿題が終わった後に、プログラミングや英語が学べたり、クラフトや縫い物、お菓子作りなどに挑戦したりすることができるのです。

しかも、このクラブ活動は、地域の人が講師となり、子どもたちが共に学び合うことを大切にしています。誰かに教えられたことを一生懸命に暗記するのではなく、自分たちが学びの主体となる場を作っています。「鉄道愛好クラブ」や「歴史探究クラブ」など、クラブをいろいろと増やしていきたいと思っています。

そして、いずれは学校のクラブ活動の受け皿になりたいと考えています。

ひだまり教室は挑戦しています!

ひだまり教室は2020年1月の設立当初から、学校とは違う学びの場づくりを提案し続けています。

2020年3月から一斉休校が始まり、その後の3年半は新型コロナ禍で受入れ人数や活動を制限したことにより、経営体力を大きく削られました。しかし、2023年4月からは一軒家をお借りして「みんなの居場所ひだまりハウス」として、活動を継続しています。

新たにエアコンを設置することになり、その費用をクラウドファンディングで支援していただきました。第一目標の30万円に到達し、現在はネクストゴールを50万円に設定し、子どもたちに豊かな学びを提供する環境の充実を図っていきたいと思っています。

クラウドファンディングにご支援ください!

みんなの居場所ひだまりハウスのクラウドファンディングは8月31日〆切です。最後までご支援よろしくお願いいたします!
↓↓↓↓
https://readyfor.jp/projects/hidamarihouse-support

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