夏休みや冬休み、春休み、そして新型コロナの休校期間中は、長期休みひだまり教室を実施しています。
朝8:00から20:00の開催ですが、7:30には開錠しています。なぜなら朝8時までに出勤しなければいけない保護者さんもいるからです。行政の児童クラブではなかなかできないような、利用者に寄り添った仕組みを提供しています。
ボランティアさんの参画
2021年の夏休みひだまり教室には、地域の方、保護者の方、大学生、高校生、中学生、社会人と10人もの方がボランティアで子どもたちの見守りをしてくださいました。これこそが、私(松浦)が目指していたものです。地域の人たちみんなで子どもたちを育む形の一端が実現しました。
ひだまり教室に通っている子どもたちにとっては、たくさんの人との出会いが人生の糧となります。ボランティアに参加してくださった人にとっても、子どもたちとのふれあいに自分の特技を生かすことができます。時には子どもたちから学ぶこともあるかと思います。
異年齢集団での遊び
学校では同年齢集団での遊びが多くなってしまいますが、長期休みひだまり教室では異年齢集団での遊びが頻繁に行われます。異年齢集団での遊びの中では、年上の子が年下の子にいろいろなことを伝達します。時には、年下の子から年上の子が学ぶことも起こります。以前は地域での異年齢での群れ遊びがたくさん行われていましたが、今はそれが少なくなってしまっています。ひだまり教室では、自然な形で異年齢集団での交流が図れることも、大きな利点だと思っています。学校がある平日だと、低学年は5時間授業、高学年は6時間授業という日が多く、ゆっくり一緒に遊ぶことも少ないので、長期休みならではの時間の過ごし方です。
自由研究の時間がたくさんとれる
長期休みだと、自由研究の時間がたくさんとれます。子どもたちは、自分でやってみたいこと、調べてみたいことに挑戦することができます。この日は、1年生の女の子がドーナツ作りに挑戦しました。材料は家庭で用意してくることになっているのですが、お母さんのご厚意で材料を多めに用意してくださり、「一緒にやってみたい子もどうぞ」とおっしゃってくださいました。
この日は午後まで残っていた子5人でドーナツ作りに挑戦しました。
別の日には、5年生の男の子がふかふかパンケーキ作りに挑戦しました。タブレットパソコンで作り方を調べ、材料を用意してもらっての挑戦でした。出来上がったパンケーキは持ち帰って家族と一緒に食べたそうです!
昼食の無料提供
子ども食堂を実施しているひだまりカフェが、たくさんの食材の支援をいただいたので、夏休みひだまり教室を利用している子どもたちに昼食の無料提供をしてくれました。
子どもたちにとっては「無料で食べられてラッキー」という経験かもしれませんが、実は無料で食材が届くまでには簡単ではない努力があります。その一端は説明しましたが、子どもたちにはあまりよくわからないことかもしれません。
しかし、いつかこの経験を振り返ったときに、「そういえば、子どもたちに無料で食事を提供してくれたことがあったよな」という記憶が残っていて欲しいのです。そして、次は食材を提供する側になる人が現れるかもしれないのです。
平和について考える機会
8月は日本にとって大切な月だと思います。太平洋戦争における広島・長崎への原爆の投下と15日の終戦です。
夏休みひだまり教室に来ている子たちに、太平洋戦争が終わって76年経ったこと。日本人や外国の人たちがたくさん亡くなったことを紙芝居風に解説しました。そして、外に出て黙とうを捧げました。
語り継いでいかなければいけない大切なことの一つだと思っています。
地域の方からの寄付
ひだまり教室を利用している子のおじいちゃんが育てた野菜を寄付してくださいました。スイカは冷やしておやつとしていただきました!
ナスやミニトマトなどの野菜は、袋に小分けして、お迎えに来た保護者の方に購入していただきました。売り上げはひだまり教室のおやつ代として使わせていただきました。
たくさんの人に支えていただいています。
地域でみんなの居場所作りをしている駄菓子屋さん「わきっちゃん」から、お菓子の寄付をいただきました。紙に番号を書いて、お菓子にも番号を付けて、くじ引きをしてお菓子を分けました。
くじ引きというワクワク感がいいですよね!
社会福祉協議会主催の交流イベントに参加
夏休み中に、島田市社会福祉協議会が主催する交流イベントに参加し、ラダーゲッターというニュースポーツに挑戦しました。当日はひだまり教室とは別の参加者もあり、一緒に競技をすることで楽しい時間を共有することができました。学校では、なかなか他団体のイベントに参加するのが難しくなっています。授業数の確保の問題や先生方の勤務時間の問題などの課題が多いからです。しかし、このような学校外で子どもが集まっている団体と社会福祉協議会などが協力することで、さまざまなイベントが行えると思うのです。実は、この夏に金谷高齢者あんしんセンターの主催する「認知症サポーター養成講座」も企画されていたのですが、静岡県に緊急事態宣言が発出されたことを受けて中止になってしまいました。これは冬休みに改めて実施する予定でいます。
なんと、交流イベントに参加した子が家族でこのラダーを自作したそうです。とてもうれしいことです。
たくさんの価値を伝える場に
長期休みひだまり教室は、ただ子どもの安全確保と宿題のためだけに実施している訳ではありません。子どもたちがいることで、たくさんの人たちとのつながりが生まれることを目的に実施しています。たくさんの人たちとのつながりの中で、人は成長し、人に対する信頼感をもち、地域に対する愛着をもつことができると思うのです。
新しい「地域での学びの形」④〜フリースクールひだまり教室・ひだまりベイス
「新しい「地域での学びの形」③~長期休みひだまり教室」への10件のフィードバック