子どもたちに生産体験を
今の子どもたちの生活は「消費」に偏り過ぎています。自分で生産するということが大変少なくなっています。そして、このことが子どもたちの価値観や、行動に大きな影響を与えていることは想像に難くありません。
梅仕事体験
初夏に梅が実ったら「梅干し作り」や「梅ジュース」、「梅酒作り」の教室を開催しています。
梅と実いう自然の恵は、生のままでは食べられませんし、そのままでは腐ってしまいます。それを長期に渡って、美味しく食べるための工夫が「塩漬け」であり、「砂糖漬け」「アルコール漬け」な訳です。
それら先人の知恵を学び、まずはレシピ通りに作ってみます。そして次からは塩の濃度を変えてみたり、上白糖を黒砂糖に変えてみたりすることで、新たな工夫を生み出します。そしていつか、先人を越えた方法を見つけるかもしれないのです。
パン作り体験
身近な食べ物であるパンは、子どもたちにとっては買ってくるのが当たり前かもしれませんが、それを自分たちで作ることで、パンに対する見方が変わるかもしれません。
生地をこねる時に力が必要なことに気付くかもしれませんし、イーストで一次発酵させた後のふくらんだ状態に驚くかもしれません。これがいずれ、小麦粉がもつたんぱく質への興味や微生物への関心につながるかもしれないのです。
食品は、実は化学反応によってできているという見方をすると、これまでのただ「おいしい・おいしくない」や「好き・嫌い」だけではない興味関心がわいてくるのではないでしょうか。
また、ひだまりカフェで実施することによって、障がいがある人もない人も、一緒にパン作りを行うことで自然な交流も生まれています。
虫よけスプレー作り体験
天然ハーブを使って、虫よけスプレー作りに挑戦しました。植物にはさまざまな効能があることを知るきっかけになると思います。手作りで安心なもので快適に過ごす工夫があることを知れば、健康への関心も高まるのではないでしょうか。
そば打ち体験
そば打ち体験教室では、金谷手打ちそばの会の皆さんに講師をしていただきました。そば打ちのための機材をすべて準備してくださり、この日のために、収穫されたばかりのそば粉を用意してくださいました。
このように、地域の方のご協力をいただくことも、とっても価値のあることだと思っています。
塩麹作り体験
私(松浦)の友人のMahoさんが麹マスターと麹クリエイターの資格をもっているというので、塩麹作り体験教室を実施していただきました。Mahoさんは、絵本を使って麹について説明してくれました。カビの一種だけれど毒を出さないことや、たんぱく質を分解して体に吸収しやすい成分に変えてくれることなどを教えていただきました。そして、日本では古くからこの麹を使ってたくさんの食品が作られてきたことを紹介してくださいました。
このような講座がきっかけで、カビについて興味がわいたり、健康について考えるきっかけになるのではないかと思います。
アイシングクッキー作り体験
ひだまりカフェを運営している認定NPO法人フリースペース・うぇるびーは、障がいのある方の作業所でアイシングクッキーを作っています。そこで作業されている方を講師に招いて、アイシングクッキー作り教室を開催しました。
自分たちが焼いたクッキーに、砂糖と卵白と天然色素をまぜたクリームで絵を描いたり色付けしたりします。
アートのように食を楽しむ中にも、健康への配慮がなされていることに気付いてくれることでしょう。
松ぼっくりクリスマスツリー作り体験
地域の方が、大きな松ぼっくりをくださったので、クリスマスツリー飾りを作りました。自然の素材を生かして自分たちで作ったもので生活に彩を与えるのは、買ってきたものを飾るだけとは違う充実感や満足感を得られるのではないでしょうか。
自分たちで作るということが、生活の豊かさを感じさせてくれるのではないかと思っています。
みそ作り体験
ひだまりカフェのみそは、島田市東光寺のそのだ農園さんから、無農薬栽培の大豆と無農薬栽培のお米で作った糀を購入して手作りしています。その材料を使ってみそ作り体験教室を開催しています。
日本が昔から作ってきたみそを大豆、糀、天然塩だけで作ります。作ったおみそが食べられるようになるには最低3か月。半年から1年経ったものがおいしく食べられます。
おみそ汁などで身近に食べているみそが、シンプルな材料でありながら、長い時間をかけて作られていることを体験すると、みそを大事に使おうという気持ちもおこるのではないでしょうか。
焼きいも作り体験
地域の方が寄付してくださったサツマイモで焼きいも作りをしました。自分たちで炭火をおこし、サツマイモを包丁で切って、新聞紙とアルミホイルで包み、焼きながら串で刺してやわらかさを確かめる。
買ってくるだけでは経験できないことがここにはたくさん含まれています。
あえて、ちょっとの手間をかけることで、学びがぐんと広がります。
この楽しかった経験が、「また焼きいもをしたい」という気持ちになり、その楽しさを自分だけではなく他の人と一緒に分かち合うことにつながると思うのです。
ミニ門松作り体験
松や竹などの材料はスタッフが準備しますが、それを自分たちで切り、飾り付けます。のこぎりを使って斜めに切るのはなかなか難しいですが、それを家族と協力してやったら、楽しいと思うのです。
自分たちが手作りした門松を玄関に飾ると、何だかとっても誇らしく、清々しい気持ちで新年が迎えられる気がするのです。
一度、手作りのミニ門松を作ったら、それがない年はなんだか物足りない気分になります。
気持ちの豊かさこそが、生活の豊かさなのではないかと思っています。
書き出してみると、たくさんの体験を提供してきたことに気付きました。2020年から2021年は新型コロナの感染対策で、参加人数を制限するなどをしましたが、今後も感染症に気を付けながらも、たくさんの体験を提供していきたいと思っています。
新しい「地域での学びの形」④~フリースクールひだまり教室・ひだまりベイス
「新しい「地域での学びの形」⑦~物作り体験教室」への7件のフィードバック