地域型クラブ活動
地域型クラブ活動を展開し始めています。
宿題…からの「ゲーム・YouTube」
学校から帰ってきたら、子どもたちは「まず宿題」。終わったら夕食の準備ができるまで「ゲームかYouTube」でしょうか?「もったいない」と思うのです。
無理もありません。親としては、宿題さえやって、あとは家の中でおとなしくしてくれていれば、まぁ安心です。仕事から帰ってきて、大急ぎで夕飯の支度をしていますから。
子どもたちにとっても、宿題さえ早くやってしまえば、たくさんゲームができる訳です。
しかし、高校入試や大学入試の時に、「あなたが好きなことは何?」「あなたがやりたいことは何?」と聞かれても、「特にない」「強いて挙げればゲーム?」「ゲーム実況ユーチューバーとか?」となってしまうのです。
とは言っても、ゲームをやるのが好きなことと、ゲーム関連の仕事をすることは別問題です。ゲームが得意でも、ゲーム実況ユーチューバーとしてお金が稼げるようになる訳ではありません。
好きを磨く
この時間に子どもの「好き」を探して、それを磨くことができないかと考えています。子どもたちがやってみたい・身に付けてみたいと思ったことに挑戦できる場を作りたいのです。
「〇〇教室」ではなく「〇〇クラブ」
それを「○○教室」というように、講師に教えてもらう形でもよいのですが、できたら、自分たちで学び合って運営する「○○クラブ」の形にしたいと思っています。
年齢制限なし
さらに、このクラブには年齢制限はなるべく設けたくないと思っています。小さい子も、大人も一緒になって、協力し合いながら自分がやってみたいことがやれる場を目指しています。
地域の人が伴走
ただ、ある程度の知識や経験がある人がいないとクラブを推進していくことは難しいです。そこは地域の中にいる知識や経験のある人がクラブの伴走者・コーチとして入ってもらおうと思っています。
伴走者に収入が入る仕組み
このクラブ活動の伴走をしてくれる地域の人に、しっかりと収入が入るようにならないだろうかと模索しています。ここで収入が入れば、このクラブ活動のコーチを生業にすることができます。そして、一か所ではなく、いくつかの地区でクラブ活動を展開してくれたら、この「好きを磨く地域型クラブ活動」を各地に広めることができるのではないかと思っているのです。
いずれは中学・高校の部活動の受け皿に
中学校や高校の先生方の勤務時間の長さが問題になっています。中学校や高校の部活動を、いずれは地域にお願いすることが検討されています。しかし、まだその受け皿がありません。
中学生や高校生だけでクラブを組織しようとしても、生徒数が減っていく中では十分な人数を確保できないと思います。クラブ活動の年齢幅をもっと広げて、地域の子どもも、中高生も大人も一緒に活動できるクラブ活動を作っていきたいのです。
いずれはオンラインで全国の人とつながれるように
この地域型クラブ活動は、活動内容によっては、オンラインで全国にいる同好の士と交流できたらよいと思っています。それが可能な時代になっています。もう、そういうことを始めている人もいます。
いずれは大学入試を変える
もっと大きなことを言えば、いずれは大学入試も変えていけるのではないかと思っています。今は、志望校を「大学の名前」で決めている人がほとんどです。例えば、「東京大学に入ったらすごいよね」「地元の静岡大学に入れたらいいよね」「京都の立命館大学に行きたいです」など。しかし、私は、小さな時から自分の好きを磨いていったら、「○○大学の□□先生のとろこで学びたい」に変わるのではないかと思っています。大学の名前ではなく、自分の好きなことを研究している「先生の名前」で選ぶようになっていくのではないかと思うのです。
「宿題」も「好きを磨く学び」も
クラブSOJI(素地)は、放課後ひだまり教室と組み合わせると有効だと思っています。子どもたちが学校から放課後ひだまり教室に来る。そこで宿題をするけれど、時間になったら隣の夢づくり会館に移動してクラブSOJI(素地)の活動をする。
「お家の人が送迎できないから習い事ができない」という家庭はけっこう多いと思います。この仕組みなら、お家の人が送らなくても、学校→放課後ひだまり教室→クラブSOJI(素地)ができ、お家の人は仕事が終わったら迎えにくれば良いのです。仕事が遅くなるようなら、クラブSOJI(素地)の後、もう一度放課後ひだまり教室に戻って宿題の続きをすることもできます。
どこでもできる形で
私(松浦)はひだまりカフェに出会ったことによって、グループホーム陽だまり内に放課後ひだまり教室の会場をお借りすることができました。これによって障がいのある方と子どもたちの交流という、大変大きな価値を得ることができました。それはとても運のよいことだったと思います。
しかし、そうでなくても、この仕組みは「学校の近くの地区の公会堂」などでもできると思っています。学校が終わった子が、地区の公会堂へ行く。そこでスタッフの人が子どもを受け入れて、地域のボランティアの人と子どもたちの宿題を見守る。別室があれば、そこで地域型クラブを開催する。こういうことができると思うのです。
もっと言えば、これは「学校の中」でもよいと思っています。学校の通常の授業が終わったら、子どもたちは宿題をやるための部屋に行く。そこには地域のスタッフの方がいて、地域のボランティアの人と子どもたちの宿題を見守る。さらに別室で地域型クラブ活動が開催される。むしろ、学校の方がやりやすいと思っています。
クラブSOJI(素地)で実験中
今、クラブSOJI(素地)で、この思い描いている形ができるのか実験中です。人口約10万人の島田市の、人口約2万人の金谷地区の、児童数約400人の五和小学校区で、これが実現できれば、全国の多くの地域でこのようなことができるのではないかと思っています。
実験は始まったばかりですので、収入もおぼつかず、実施者はなかなか苦しいですが、クラブに何人くらい人が集まれば生業として成立するのか?そして実際のところ何人くらい集まるのかを確かめたいと思っています。
小学生プログラミング素地&英語
講師の小澤亮司さんはシステムエンジニアとして長年お仕事をされていましたが、39歳で教育を志し、通信制大学で英語の教員免許を取得されました。金谷小学校区でプログラミング教室を主宰されていたので、このクラブSOJI(素地)に加わっていただきました。
プログラミングを学ぶ中に英語も取り入れて、ダブルでお得な、とても素晴らしクラブ活動を展開されています!
しゃべりたくなる英語クラブSOJI
小学校の教員経験20年の私(松浦)と英語の教員免許を持つ小澤亮司さんとでタッグを組んで、しゃべれるようになる実践的な英語学習ができるクラブを立ち上げました。
子どもたちの日常を題材にして、英語で言ったらどうなるかを学びます。あえてグーグル翻訳を使うことで、知りたいと思ったときに家族のスマートフォンを借りてすぐに調べるという習慣が付くようにしています。
英語クラブSOJIの活動を終えて家に帰った子が、すぐに家族に英語で質問し出したら驚くでしょう。でも、それを「英語はわからない」と突き放すのではなく、「一緒に調べよう」とグーグル翻訳を開くようになって欲しいのです。
いろんなクラブができたらいいな
2021年5月にまずプログラミングクラブSOJIが開設され、11月に英語クラブSOJIが開設されました。
今後、もっとたくさんのクラブができたら良いなと思っています。
料理やお菓子作り、アートやデザイン、木工、地域探検、鉄道、お城、農作業、手芸、スケートボード、ドローン、写真、動画編集、アクアリウム、ドッグトレーニング、ボードゲーム、手品、落語、ギター、ドラムなどなど。
いずれは、これらのクラブ同士がコラボレーションして、「鉄道」を「ドローン撮影」して「動画編集」したら、ハイレベルなものが完成するかもしれません。
将来の夢を今から
あるいは、ゲーム実況ユーチューバーになりたいのなら、今からやってみれば良いと思うのです。ゲームをしながら、実況するのは意外に難しいかもしれません。撮った動画を編集して、キャプションや効果音を入れるのは手間がかかることに気付くかもしれません。でも、それらが子どものうちからできるようになれば、後に役立つはずです。
金谷宿大学とのコラボレーション
金谷地区には「金谷宿大学」という市民講座があります。こちらは、主に大人を対象とした講座ですが、子どもも受け入れているところもあります。これらとも連携できたら良いなと思っています。
「新しい「地域での学びの形」⑨~地域型クラブ活動「クラブSOJI(素地)」」への9件のフィードバック