静岡新聞 賛否万論のキュレーター(ご意見番)に選んでいただいての7回目の投稿が掲載されました。
今回のテーマは「スマホ・ネットの家庭内ルール どうしてる?」
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「スマホやネットにはどんなメリットやデメリットがあるのかを知りましょう。保護者と子どもが話し合ってルールを定めて、それを守るようにしましょう。」至極当たり前のことですが、それができていないからトラブルが起きている訳です。
スマホやネットにはどんなメリットやデメリットがあるのか、その情報が簡単に入手できる状況にあるでしょうか?学校では年に1、2回くらい授業時間を使ってその勉強をするでしょう。それを授業参観に合わせて、保護者にも知ってもらえるようにしている学校もあるでしょう。しかし、それで十分ではないから、トラブルが起こっています。スマホやネットにどんなメリットやデメリットがあるのか、わかりやすく情報提供がされているのかをまずは調べてみることが必要です。案外、ネットですぐに見つかる情報は子ども向けが少ないことに気付くかもしれません。
次に、保護者と子どもが話し合ってルールを定めて、それが守られているかどうかが課題です。私は、放課後の寺子屋活動をしていて、日常的に子どもたちや保護者の皆さんと接していますが、気になっていることがあります。それは、子どもがマウントをとっている家庭が多いということです。保護者が子どもの言いなりになってしまっている家庭が結構あります。「ずっとスマホばっかりなんです」「いくら言っても止めなくて」「無理に止めさせようとすると怒って暴れるんです。発達障害でしょうか」という相談を受けることもあります。私は発達障害の診断を下せる立場にはありませんが、教員生活20年の経験から言うと、発達障害と思い込んでしまうのは早計だという場面が多くあります。子どもが「自分が駄々をこねれば、お父さんやお母さんは折れて、自分の要望を認めてくれる」と思ってやっているということが多く見受けられます。子どもとの衝突を恐れて子どもの要望を通してしまうのではなく、しっかりと子どもと対峙することが大切だと思います。ただし、子どもを服従させて、子どもの意思を無視してしまっている保護者もいるので、一概に言えないのも事実です。
そう考えると、保護者も子どもも信頼して相談できる人や場所があるかどうかが大事です。できたらどこか1か所ではなく複数の信頼できる人や場所とつながっていられたら、トラブルを未然に防いだり、起こっても問題が大きくなる前に対処できたりするのではないでしょうか。
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静岡新聞の担当記者の方が私の投稿の端に要点をまとめてくださっています。今回は「衝突を恐れず 子どもと対峙」でした。的確なまとめでありがたいです。
今回の投稿で一番言いたかったことは、「子どもがマウントをとっていて、子どもの言いなりになってしまっている保護者が多い。子どもとの衝突を恐れずに、しっかりと対峙して欲しい」ということでした。もちろん、これはスマホ・ネットに限らずに全てのことについて言えます。なぜ、子どもの言いなりになってしまっている保護者が多いのか、はっきりとした原因はわかりませんが、保護者が子どもだったころ、大人からいろいろなことを押し付けられたことの反動ではないか?と考えています。「自分が大人から押し付けられて嫌だったから、自分は子どもになるべく押し付けないようにしよう」と思っているのではないか、というものです。あるいは、「いろいろなことを押し付けられてきたら、自分でその場その場で判断できないようになってしまった」のかもしれません。そこから、私が言いたいのは「全てのことを押し付けるのはいけないが、全てのことを子どもに任せてしまうのもいけない」ということです。
しかし、その反対に、子どもを服従させて、子どもの意思を無視してしまっている保護者もいます。このような人に「衝突を恐れずに子どもと対峙して」というメッセージを届けてしまうのはとても危険だとも思っています。
いずれにしても、当の本人が「自分は子どもにマウントをとられている」ことも、「自分は子どもを服従させて、子どもの意思を無視している」ということも気付いていないということに問題があります。
そこで、その状況を客観的に見て、アドバイスをしてくれる他者とつながることが大事だと言いたいのです。そのつながりの一つに、ひだまりハウスがなれたらいいなと思っています。
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